毒王は棘姫を寵愛する (バーズコミックス ルチルコレクション)

なんでか知らんが古市くんのアレを思い出す、不思議なんだが、多分鰐淵がAIぽいからかもしれない。で、タイトルもなんだけど期待してないエロ多め？が色々忖度に見え、編集さんとかが変わったり？なんだか（いや知らんが）、テイストに歩み寄り（緩和表現）も見られ、る気がする、いや「分かり易さ」としてとても正しいんだけども。とはいえ、多分イマドキフツーマンガに比べ倍近いであろう文字数書き込みは健在で、普通なら鬱陶しいほどのモノローグのリリシズムとでも言いましょうか、昭和の少女小説並な高湿感は通常運転で、〈檻がないだけの牢獄と違わない、昨日と変わらぬ今日を生き、同じ明日を迎えるのみ〉な死んでいるのと大差ない無為の日常からの、いわば脱走を可能にする「恋」、偏に恋心だけで一点突破しえる夢物語の完成度は、相も変わらぬ胸熱マックスであるなあ。基本、フォーマットは過去作と変わらないし、今回はグリムに古事記にダフネか？なギリシャ神話も見え隠れして、お伽話との親和性の良さを改めてこの方のBLに見る思いだが、敢えて言う、考えてらっしゃるのかもしれんが、織部より鰐淵のキャラ視点のが拡がりが違うんでは？故の☆数なんだが、これは決して苦言ではない。ではないが、織部のキャラがそろそろつらいのだった、ハイ自分の所為ネｗチロリに明日屋、それ以前の作品も全部、読後どこかに連れ去られるあの感覚を当時と同じ熱量で甦らせるのはもう難しいが、描き続けている、それだけでありがたい作家さんというのが、自分的にいかに貴重か、新作リリースのたび姿勢を正してしまう想いです、ありがとうございます。